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■療養の給付

(1) 業務外の病気やけがに給付
健康保険で治療を受けられる病気やけがは、仕事上あるいは通勤途上の原因以外による者に限られています。仕事上あるいは通勤途上の病気やけがは労災保険で治療をうけられることになっているからです。
また、健康保険で治療を受けられる病気やけがとは、医者が診療の必要を認める状態のものをいいます。ですから、単なる疲労とか、美容整形、正常な出産、健康診断などは、健康保険ではみてもらえません。

健康保険でかかれない場合 (×) 健康保険でかかれる場合 (○)
仕事や日常生活にさしさわりのないソバカス、アザ、ニキビ、ホクロ、わきがなど 治療を必要とする症状があるもの
回復の見込みがない近視、遠視、乱視、斜視、色盲など 視力に変調があって保険医にみてもらったときの診察、検査、眼鏡の処方箋
美容のための整形手術 けがの処置のための整形手術
健康診断、生活習慣病検査、人間ドック
検査の結果、治療が必要と認められた場合の治療
予防注射、予防内服
感染の危険が有る場合の破傷風、はしか、百日咳の予防注射
身体の機能にさしさわりのない先天性疾患(小耳症、四肢奇形など) 美容のためでなく、社会通念上治療の必要があると認められるもの
正常な妊娠・出産 妊娠中毒症、異常出産など、治療する必要があるもの
経済的理由による人工妊娠中絶
母体保護法に基づく人工妊娠中絶


(2) 療養の範囲
療養の給付には、病気やけがの治療のために必要とされる医療はすべて含まれています。
被保険者または被扶養者の資格がつづく限り、いずれも必要な医療を病気やけがが治るまで受けられます。
1) 診察
2) 薬剤または治療材料の支給
3) 処置、手術その他の治療
4) 在宅療養・看護
5) 入院 (食事療養を除く) ・看護

(3) 保険証でかかれる医療機関
病気やけがをしたときは保険給付を受けられますが、どこの医院や病院でもよいというわけではありません。 健康保険を扱っている病院や医院の窓口へ保険証を提示しなければなりません。
健康保険を扱っている病院や医院は 「保険医療機関」 といいますが、保険医療機関であれば、全国どこの病院でも医院でも健康保険で受けられます。
なお、高度先進医療を行う大学病院などのうち地方社会保険事務局長の指定を受けた病院は 「特定承認保険医療機関」 といって、保険のワクを越える部分については自費で支払わなければならないようになっています。

(4) 自己負担3割 (外来・入院とも)
被保険者 (本人)が健康保険で診療を受けるときは、外来、入院ともかかった医療費の3割、高齢受給者は2割(誕生日が昭和19年4月1日までの方は特例措置により1割、一定以上所得者は3割) 相当額 (10円未満四捨五入) を病院の窓口で支払うことになっています。
高額な医療費を支払った場合は健康保険ガイドの「自己負担が高額になったとき」をご覧下さい。
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