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■出産したとき

被保険者が出産したときには、出産費用の補助として出産育児一時金、出産のため仕事を休んでいた期間の生活費として出産手当金が支給されます。被扶養者である家族が出産したときにも家族出産育児一時金が支給されます。
正常な出産は保険医療として扱われないため、その費用の補助という形で出産育児一時金が支給されるものです。なお、異常出産など病気として扱われる場合や他の病気を併発したなどの場合には、それらは保険扱いとなります。

(1) 出産育児一時金・家族出産育児一時金
1) 法定給付額
産科医療補償制度対象
 令和5年3月31日までの出産 420,000円
 令和5年4月1日以降の出産 500,000円
 その内、産科医療補償制度保険料 12,000円
○産科医療補償制度非対象  
 令和5年3月31日までの出産 408,000円
 令和5年4月1日以降の出産 488,000円
2) 付加給付額
出産育児一時金、家族出産育児一時金ともに1児につき7,000円が支給されます。
3) 出産育児一時金等の直接支払制度について
被保険者が国内の医療機関との間に、「出産育児一時金の支給・受取を医療機関に任せる代理契約」を交わすことにより、出産育児一時金の額を限度として、健保組合が医療機関に直接、費用を支払います。被保険者は、出産育児一時金等を超えた額を医療機関窓口で支払います。
<直接支払制度を利用する場合>
1. 出産をする医療機関に、出産育児一時金等の直接支払制度を利用する旨を申し出て、退院までに申請・受取に係る代理契約を医療機関と締結してください。
2. 退院時、医療機関へ保険証を提示ください。被保険者支払額は、出産費用が法定給付額を超えた分のみです。
3. 付加給付は、退院翌々月の月末に、給与口座へ支給します。
4. 健保組合が医療機関に支払った出産育児一時金等と付加給付額を明記した支給決定通知書を付加給付振込日前後に送付します。
帝王切開等の手術や高額な保険診療が必要な場合は、退院までに「限度額適用認定証」の申請を別途健保組合へ行ってください。
直接支払い制度を利用し、出産費用が法定給付額を超え、医療機関への支払いがあった場合は、健保組合への申請手続きはありません。
出産費用が法定給付額未満の場合は、差額を後日健保組合が支給します。ご本人からの申請手続きはありません。
4) 国内出産で、直接支払制度を利用しない場合
従来通り、被保険者が医療機関で出産費用全額を支払い、その後に健保組合へ請求して出産育児一時金等を受け取る方法を選択することもできます。
1. 出産をする医療機関に、出産育児一時金等の直接支払制度を利用しない旨を申し出て、退院までに、申請・受取に係る代理契約を医療機関と締結していない合意文書を医療機関と取り交わしてください。
2. 健保組合へ出産育児一時金等を請求ください。およそ10日後に、出産育児一時金等及び付加給付を給与口座へ振込し、決定通知書を送付します。
【健保組合へ提出いただく書類】
☐出産育児一時金支給請求書・・・各事業所の人事部等にあります
☐保険者名の入った医療機関との合意文書の写し
☐医療機関から交付される出産費用の領収・明細書の写し
帝王切開等の手術や高額な保険診療が必要な場合は、退院までに「限度額適用認定証」の申請を別途健保組合へ行ってください。
5) 海外出産の場合
海外での出産は、直接支払制度の対象となりません。
1. 従来通り、健保組合へ出産育児一時金等の支給申請を行ってください。
2. 健保組合へ請求いただいたおよそ10日後に、出産育児一時金等及び付加給付を日本給与口座に振込し、決定通知書を送付します。
【健保組合へ提出いただく書類】
☐出産育児一時金支給請求書(出生証明欄不要)
             ・・・各事業所の人事部等にあります
☐出生証明書(原本)
☐出生証明書の邦訳および邦訳者住所・署名(原本)
6) 資格喪失後の継続給付
1年以上の被保険者期間がある本人が、退職後6カ月以内に出産したとき、現加入の健康保険あるいは当組合のいずれかより出産育児一時金が受けられます。当組合からの付加金はありません。

(2) 出産手当金
出産のため仕事を休み給料がもらえなかったときには、出産手当金が支給されます。
支給されるのは、出産の日以前42日(双児以上の場合は98日)間、出産の日後56日間のうちで仕事を休んだ日数分です。出産の日が出産予定日より遅れた場合は、その遅れた期間も支給されます。
出産手当金の額は、休業1日について標準報酬日額(*1)の3分の2の額です。被扶養者のいない人が異常出産などのため健康保険で入院した期間についても同様です。
なお、仕事を休んだ理由は、傷病手当金の場合の働けないために休んだという例よりは範囲が広く、働こうと思えば働ける状態にあってもかまいません。
*1 [支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額(*2)]÷30日
*2 被保険者期間が12か月に満たない場合は「支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額」か、「当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額」を比べて少ない方の額を使用
(3) 産前産後休業中および育児休業中の保険料免除
産前産後休業中および育児休業期間中の健康保険料は、負担軽減をはかるため、事業主の申し出により被保険者本人分だけでなく事業主負担分についても免除されます。
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